特集・コラム

営業活動のデータ化・・・そもそも必要なの?(前編)

「営業活動のデータ化・・・そもそも必要なの?(前編)」

日本では、2000年代以降に利用されるようになったSFA。
普及も広がり、「SFA」というワードを聞いて営業関連のツールだということを思い浮かべていただけると思います。
SFAは、営業パーソンの持っているノウハウを定性データ化、定量データ化して管理/共有し、活用するための基盤となるシステムです。

では、なぜデータ化し管理/共有する必要があるのか。
これについては、多くの営業パーソンが疑問に感じていらっしゃるのではないでしょうか。

そこで今回は、“データ化”の持つ重要性について考えてみましょう。

エビングハウスの忘却曲線からみる、
記憶の曖昧さ

突然ですが、あなたは次の質問にいくつ答えられますか?

・一昨日のお昼ご飯は「どこで」「誰と」「何を」を食べましたか?

・ちょうど1週間前のお昼ご飯は「どこで」「誰と」「何を」を食べましたか?

・ちょうど1ヵ月前のお昼ご飯は「どこで」「誰と」「何を」を食べましたか?

全て正確に回答出来たでしょうか。
ちなみに私は昨日の食事についても、パッとは出てきません…。
簡単に言えば人間の記憶力はこの程度が限界なのかもしれませんね。

「エビングハウスの忘却曲線」という言葉をご存知の方もいるかと思います。
この曲線では、人間は経過時間によってどれだけ “曖昧になっていくか” を表しており、以下のような割合で変化していくそうです。
※厳密には意味合いが多少異なりますが、分かりやすくするために例にとってご紹介します。

▼時間経過により記憶が曖昧になる割合

20分後  : 42%の記憶が曖昧になる

1時間後 : 56%の記憶が曖昧になる

1日後  : 74%の記憶が曖昧になる

1週間後 : 77%の記憶が曖昧になる

1ヵ月後 : 79%の記憶が曖昧になる

このように、人間は記憶を定着させる努力をしなければ、時間が経てば経つほど曖昧になっていくのです。
いわば、人間として「当たり前」のことだと言えるかもしれませんね。

営業パーソンの扱う情報量とデータ化の重要性

人間は記憶が曖昧になっていくということを前提とした場合、営業パーソンが抱える案件についてはどうでしょうか。

営業パーソンは毎日何件ものお客様を訪問し、多数の案件をこなしています。
そして、月間・年間でみると何件もの見積を作成しています。

それを、何年も続けているのです。
端的に言えば、これだけの膨大な情報をきちんと正確に覚えているわけがありません。
※私自身もデータ管理をしなければ、1週間前にあった案件の記憶ですら曖昧です…。

ここで、営業現場でよく起きている例をご紹介します。
同じような状況に遭遇したことはありませんか?

あるお客様から「1年前に相談していた件で、プロジェクトが再開されることになったから、改めて提案をお願いします。」とお声がけいただいたものの、内容をほとんど覚えていないために、ヒアリングから行わないといけない。

さらには、当時の営業担当が退職や異動をしていた場合には、引き継いだ営業担当者が「0」からヒアリングをスタートすることに…。
なんて事にもなりかねません。

実際に、私自身が購買担当になることもあるので分かりますが、過去の情報を踏まえているかどうかで信頼度合いが変わってきます。
改めて「0」から説明しなければいけない企業と、きちんと前回の内容を踏まえて、迅速かつ適切な提案をしてくる企業とでは、どちらに信頼を寄せるか、比べる必要もありません。

このようなケースは、目に見える損失として認識されにくいですが、放っておくと大きな機会損失になっている可能性があるのです。
また、自社において同様のケースがどれ程あるか把握しようとしても、こういった理由で失注になったことを正直に上司に報告する営業パーソンはあまりいないので、実態を掴むことはなかなか難しい状況となっています。

だからこそ、常にデータを管理/共有することで、機会損失を発生させない環境づくりが必要です。

対顧客だけではなく、自分のためにも活きるデータとは

これは上司に対する報告においても同様です。
もし、あなたの会社が週次・月次でまとめて案件報告をしているなら注意してみてください。

先ほどの忘却曲線にならうと、毎日、こまめにデータを入力/更新していればまだしも、上司への報告の際に “まとめて” データの入力/更新をしている営業パーソンの記憶は、案件入力時に75%以上が曖昧な状態と言えます。

つまり、案件情報を曖昧な記憶の片隅から寄せ集め、それをマネージャーに報告しているということになります。
記憶している情報が「重要なポイント」のみであれば影響は少ないでしょう。
しかし、「どうでもいいこと」だけが記憶に残り、それを報告しているようでは、マネージャーの適切なアドバイスは期待できません。

間違った問いから、正しい解答は導きなせないのと同様に、正しく適切な情報がなければ、マネージャーも適切なアドバイスはできないのです。

営業パーソンは「データを残す」という作業はひと手間かかるため、嫌がる人も多いようです。
しかし、正確な情報をマネージャーに報告し、適切なアドバイスを貰うことは営業パーソンにとってもメリットが大きいこととなります。

そのためには、手元にあるものをすべてデータ化するだけではなく、どのようなデータを蓄積するのか、という “質” を定義した上でのデータ管理が重要なポイントになります。
適切なデータの管理は、営業パーソンとマネージャーの双方にとって必要なことなのです。

さいごに

このように、データ化することは人間の記憶力を補完する上でも、非常に重要ですが、定性データのみになってしまうと有効活用するには不十分と言えるでしょう。
今回お話しした定性データは、定量データと併せて活用してこそ威力を発揮できるのです。

次回は「数値化」することのメリットについて触れていきます。

今回お伝えしてきたデータ登録は、営業マンの「PDCA」に結びつけ、最終的には売上向上のゴールに結びつけていくことが重要です。
冒頭でご紹介したSFA(営業支援システム)が営業の “何を支援” するのか、マネジメントに不可欠なPDCAとの関連させながらご紹介した資料もご用意しております。

是非、ご覧ください。
資料「営業のPDCAとSFA編」をダウンロードする

この記事に関連するコラム

≪ コラム一覧ページへ戻る