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名刺の連絡先交換以外の役割って?

みなさんは、「名刺を交換する意味」について考えたことがありますか?

「データをやりとりする」という概念が浸透していなかった時代ならいざ知らず、情報通信技術の発達した現代においては、各々がスマートフォンを取り出し、SNSのアカウントやメールアドレスを交換するだけで、お互いの連絡先や基本情報の交換が出来てしまいますよね。

しかし、日本のビジネスの場では、今でも初対面の人間同士が「紙の名刺」のやりとりをすることが通例となっています。
オフィスのいたるところでペーパーレス化が進んでいるこの時代に、なぜ「紙の名刺交換」という習慣が根強く残っているのでしょうか。

そこには2つの大きな理由があります。

「身分証明」としての名刺

まず一つは、名刺が、ある程度の社会的信用を担保する身分証明書のような側面を持っているためです。

「会社組織に所属している人間ならば当たり前のことだし、なんの証明書にもならないじゃないか」と思われるかもしれません。
しかし、当たり前だからこそ、あるのとないのとでは、初対面で相手に抱かせる印象に大きな差が出てくるのです。

もしも自分だったら…と想像してみてください。
名刺を出さない初対面の人間と、大事なビジネスの話をするのには、誰しも少なからず抵抗を感じるのではないでしょうか。
企業ロゴと部署名の書かれた名刺を最初にやりとりしているからこそ、躊躇なく本題に入ることができるのです。
形式だけのように見えて、所属と立場が書かれた「紙の名刺」をやりとりするという行為それ自体が、実は社会的信用の第一段階を築いていると言えるかもしれません。

「紹介状」としての名刺

そして、もう一つの理由は、名刺が企業間の「つながり」を認識することができるツールであるためです。

個人と個人の関係性であれば、見知らぬ人と何のきっかけもなく会うことは非常に難易度が高いかと思います。
たとえば、「大好きなあの芸能人に会いたい!」といくら願ったところで、連絡先も住所も知らなければ、実際に会える確率はほぼゼロなのではないでしょうか。

しかし、これがビジネスの話となれば話は違います。
会社として紙の名刺を交換した事実があることで、名刺交換をした本人ではなくても、会社としては「つながり」があることがわかります。
まったく会ったことのない相手であっても、「以前、御社の○○様とお会いしてお話ししたことがあるのですが…」という一言があるだけで、「ああ、そうなんですね!」と、警戒心が解け、こちらの話を受け入れてもらいやすくなります。
そういう意味では、名刺は、初対面という困難な関門を通過する「紹介状」とも言えるのではないでしょうか。

さいごに

日本のビジネスパーソンが、普段何気なくこなしている名刺交換。
その当たり前の行為が、信頼関係の基盤を築き、今後その関係を継続・発展させる上で、非常に大きな役割を担っているということを実感していただけたでしょうか。

こういった観点から、近年では、「業務の範疇で得た名刺は会社が保持するべき」という考えが一般的にも広まっています。
名刺は、やはり会社の「資産」と呼ばれてしかるべきものなのです。
しかし、ここでご注意いただきたいのは、もらった名刺をそのままにしていては、「資産」としての価値はほとんどない、という点です。

名刺を社内で共有して管理することではじめて、これまで個人では見ることの出来なかった「会社の人脈」を可視化し、活用することが可能になります。
名刺管理ツールを使い、ぜひ社内の人脈をフル活用してみてください。

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