今まで通りの営業活動をしているのに、商談機会が減少している。そんな状態に陥っている企業は、実は意外と多いのではないでしょうか。
近年のIT技術の発展はめざましく、それに伴い、デジタルマーケティングを取り入れないと勝ち残っていくことは厳しいとさえ言われる時代になりました。
弊社も例外ではなく、実際にデジタルマーケティングを活用した営業体制の構築を進めており、その一環として、10月3日にアルテマブルーのウェブサイトを全面リニューアルをしました。
しかし、デジタルマーケティングを活用した営業活動というのは言うほど簡単なものではありません。
そこで今回は、BtoBに特化してマーケティング支援事業を展開する株式会社エムエム総研の、デジタルマーケティンググループ マネージャー 今井 良 氏にこれからどのように営業活動とデジタル活用をしたら良いのか聞いてみました。
営業活動+デジタル活用をしないと商談機会は減少傾向に
情報通信インフラの急速な発達に伴い、ユーザーは欲しい情報を必要なときに、十分に得られるだけの環境がすでに整っています。
約60%の企業は、意思決定を行う前の「比較検討」の段階で、数ある選択肢のうち、すでに2~3つに絞り込んでいるといわれています。
そのため、これからのマーケティング活動を成功させるためには、顧客にしっかりと選んでもらうための情報発信の仕組み作りが必要不可欠となります。
比較検討の情報収集手段はインターネットを使う
さらに2015年8月に弊社が実施した市場調査結果によると、サービス導入に至る前の情報収集手段はインターネット、メールといったデジタル媒体を活用して情報収集を行うと回答したユーザーが全体の約60%超と回答しました。
これからのマーケティング活動においては、今までのような訪問による営業活動だけではなく、デジタルを活用した情報発信なくして成功が難しくなったことは明らかです。
デジタルを活用した情報発信とは
デジタルを活用した情報発信する上で一般的なチャネルはインターネットです。
もちろん、その他にもメールやショートメッセージ、スマートフォンやタブレットなどのモバイルアプリ、デジタルラジオ、デジタルサイネージ、最近ではロボットアプリなど多種多様です。
これらデジタルチャネルを駆使して製品やブランドの情報発信を行うことが、いま求められています。
なぜ、従来のマーケティング手法だけではなく、デジタルチャネルが重要性を増しているのか。
これらデジタルメディアでは、あらゆる“データ”を取得することができるからです。
ここで取得したデータをいかに素早く分析し、精度の高い仮説を導き出し、マーケティング施策を行うか。
この一連のPDCAサイクルの高速化がマーケティング活動の成否を決めると言っても、過言ではありません。
まずは何から始めるか
数あるデジタルチャネルの中で何を使い、何を発信していけば良いか。
最初のステップとしては、コーポレートサイト、サービスサイトの見直しから行うことをおすすめします。
ウェブサイトは「24時間眠らずに働き続ける営業さん」と例えられるほど働き、多くのステークホルダーと接点を持ちます。
その不眠不休の営業活動の状況を見たことがないというのは、ちょっとだけかわいそうですよね。
ウェブマーケティングの見るべき視点は「質」と「量」
ウェブサイトの活動把握を行う時は、2つの視点をもとに導いていきます。
まず、1つ目は「質」。つまり、発信している情報です。
「手間がかかり、最新情報が発信できていない」、「ウェブの知識がなく、サイトの更新業務が滞ってしまっている」というお悩みはよく耳にします。
どんな理由にせよ、サイトの公開情報をユーザーは見ています。
「情報の鮮度が不十分だったために、営業活動の機会損失が発生した」という事態だけは避けなければいけません。
2つ目の視点は「量」。これはウェブのアクセスデータをイメージしてください。
まず、ウェブサイトに解析ソフトが入っていなければ、いますぐ導入することをおすすめします。
グーグルが提供しているGoogle Analyticsなど無償版解析ツールもあり、気軽に導入することができます。
ウェブ解析ツールを使うことで、コンテンツの閲覧有無や、閲覧頻度、閲覧時間、コンバージョン率、コンテンツ毎の反応を確認できるのです。
ウェブサイトの更新が滞り、久しぶりに解析ツールを覗いたら、サイト訪問者の約75%(3/4)が1ページだけ閲覧して離脱している、なんてことさえ可能性としてはあります。
ウェブの見直しが検討候補に残るための最初の一歩
インターネットを使って情報収集するユーザーが60%を占める以上、このウェブというチャネルに対する改善を実施することがまずは大切です。
私たちもデジタルマーケティングをご支援させていただく際は、最初にウェブサイトのパフォーマンス可視化から取り組みます。
当たり前ですが、見えてきた課題に対して、ページ自体の改善で解決することか、流入チャネルを増やすべきか、はたまたウェブサイトのリニューアルを行うべきなのか、クリティカルな改善施策が変わるからです。
もしも、社内にウェブ知識のある方がいらっしゃらなければ、プロのウェブ解析士に相談するということも1つの手でしょう。
まだまだ一歩に過ぎない取り組みの先へ
製品選定の検討候補から外れている気がしたら、まずはインターネット(特にウェブサイト)というチャネルの見直しから行いましょう、ということでお話をさせていただきました。
企業はユーザーを巻き込み、関係性を築くための努力をしなければなりません。
昨今トレンドとなっているコンテンツマーケティングへの取り組みもウェブサイトのパフォーマンスが重要と考えています。
ターゲットが求めている情報をきちんとウェブサイトへ掲載しているか、分かりやすい説明になっているか、ぜひお客様目線で自身のウェブサイトを確認してみるということも行ってみてください。
コラム執筆者紹介
今井 良
株式会社エムエム総研 デジタルマーケティンググループ マネージャー/ウェブ解析士
2010年入社。国内外資問わずIT系を中心とした企業のデジタルマーケティングのプランニング、ディレクション実績を多く持つ。2016年、グループマネージャーに就任。
企業HP | http://www.mmsouken.co.jp/ |
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