特集・コラム

本当に成果を出すためのデータ活用とは
~営業部門における情報活用の勘所~

いま、企業が抱える課題 ― データ活用

いま、企業が抱える課題 ― データ活用

平成27年28年と倒産原因のトップは「販売不振」です。
BtoB、BtoCにかかわらず、多くの企業が「売る」という事に対して、課題を抱えています。

その課題解決のツールとして、SFA/CRMやマーケティングオートメーション、名刺管理サービスなど様々なサービスが存在しています。

特に営業部門ではSFA/CRMや名刺管理サービスなどを用いて営業マンが持っている情報を集約し、その情報を活用することで個人依存の営業から組織的な営業に転換しようという動きが見受けられます。

しかし、実際には“情報活用”といってもすぐに成果が出る訳ではなく、実戦での試行錯誤によって、情報活用の質を向上させ、徐々に成果に繋げていくのが実態です。
この試行錯誤の期間が長くなると、疑心暗鬼になり、これまでのような属人営業に戻っていってしまう、という事が起こります。
そのため、いかに早い段階で目に見える成果に繋げていくのかが、一つのポイントと言えます。

そこで今回は、ユニデン、ユニキャリアの代表取締役を歴任し、独自の“バトルフィールド理論”を中心に多くの企業に経営指導を行う大森聡氏に、「営業部門における情報活用の勘所」について伺いました。

「必要なデータ」の取捨選択を

私の経営経験の中では、会社の収益を改善させる上でディフェンス側はやることがはっきりとしており、比較的過去の改善事例も数があり、具体的な戦略をたてて動きやすいと感じています。
しかし、トップライン(売上)を伸ばすオフェンス側となると、意外と曖昧で不透明のまま過去からの行動パターンを踏襲するだけにとどまっているケースが目立っていたというのが強く記憶に残っています。

現場での実践となると、「情報活用」というお題目は掲げてみたものの、情報やデータに振り回されたり、そばにある情報やデータを全然使いきれていなかったりする事が多いのではないでしょうか。
会社の経営状態を把握するKPI(Key Performance Indicator)も同じですね。
私は、会社の状態を把握するために一般的な財務諸表はあまり見ません(もちろん、最低限のBS,PLは読み込みますが)。
むしろ、実践的な管理会計数値を重視しています。

いかに有益なデータを積み上げるかが勝負

トップライン(売上)を伸ばすためのデータが所謂「営業部門における情報」になりますが、名刺管理システムから導き出す情報はそれらの根幹になると思います。
名刺データはあくまでも情報の基盤であって、その上に生かせる情報をいかに積み上げていくか、が最も大事なところになるでしょう。

私の場合は、「優先順位とねらい目の特定、深堀」をテーマにして、その名刺情報の基盤に独自情報を積み上げていく手法をとっています。
それは、「バトルフィールド」と呼ばれ、全市場をそれぞれセグメントに区分けし、それぞれのセグメントを「バトルフィールド(戦場)」と名付け、そこでトップシェアを丹念にとっていく戦法です。

各「バトルフィールド」でシェアをとるために商品戦略があり、ターゲット顧客の絞り込みなどの作業があるわけです。
顧客の意思決定者の特定や競合でたたく相手の特定など、すべては、名刺管理システムの基盤情報がもとになってくると思います。

使いやすく上質な基盤が成功への近道

皆さんがそれぞれ独自の情報活用方法をお持ちだと思いますが、基盤が整理されていなければ、積み上げたデータそのものが全て砂上の楼閣となってしまうのではないでしょうか?
そういう意味でもその基盤となる名刺管理サービスは上質で使いやすく整理しやすいものがよいと考えています。

何事も基盤を固め、そこを盤石にしてから思い思いの建物をたてていくことが成功への近道ではないでしょうか。

コラム執筆者紹介

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大森 聡
ユニデン株式会社やユニキャリア株式会社の代表取締役社長を歴任し、現在はキヤノン電子株式会社特別顧問、およびキヤノンエスキース株式会社最高顧問を務める。
その傍ら、独自の“バトルフィールド理論”を中心に、多くの企業に経営指導を行っている。

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